主 催 |
(公社)日本オストミー協会神奈川支部 |
日 時 |
平成28年 5月29日(日)13時30分~16時30分 |
場 所 |
小田原市民会館
小田原市本町1-5-12 |
交 通 |
JR東海道線 小田原駅下車 徒歩10分 |
講 演 |
「訪問看護について」 |
小田原医師会訪問看護ステーション管理者 小林 順子 様 |
「介護保険制度について」 |
ケアマネジャー 石澤 京子 様 |
「在宅と施設入所のストーマケアの現状」 |
ケアネットOHMY トゥ・スマイルケアセンター
湯河原事業所管理者 本多 美弥子 様 |
相談員 |
平塚共済病院 皮膚・排泄ケア認定看護師 植木 京子 様 |
展示会 |
有り |
参加費 |
無し |
出席者 |
計41名 |
相談会報告 |
[講 演]
「訪問看護について」小林 順子 様
・訪問看護は、主治医の訪問看護指示書により訪問することができる。
・対象は0才の赤ちゃんからお年寄りまで年齢に制限なく対応しており、介護保険非該当の方でも医療保険で週3回まで、介護保険該当者はケアマネージャーが作成したケアプランに則り利用できる。
・ご本人が住み慣れた地域で、できる限り安定した生活を送るための支援で、ご本人とご家族が主体となりそれをサポートしケアしている。 24時間・365日相談に応じ、必要がある場合は訪問し対応する。
・訪問看護はその方々に応じた看護をするために、病院やクリニックと連携し、在宅生活が安定するように相談や支援を行う。
・在宅でのリハビリテーションもできる。
・ターミナル期は在宅医と密に連携し訪問看護を行っている。訪問看護を利用されている方の60%が自宅で最期を迎えられている。
・自分自身で何か出来なくなる前に、家族と自分はどのようにしたいのか話し合っておくことが必要。
・ストーマの方は今全体の5%。造設して外出できない方、またご家族等への生活のアドバイスをしている。色々なトラブル等、専門職へつなぐ事もしている。自分だけで抱え込まず相談し、ストーマ外来への受診を勧めている。
・ご家族と利用者へのケアを主体にして、その方々に対応できるように努めている。
・災害時の事を考え、自分と家族で必要な物品などを把握し、確保の方法を考えておく。
・今回参加して当事者の生の声が聴く事が出来て良かった。これからの活動に生かしたい。
「介護保険制度について」石澤 京子 様
・皆さんがお住まいの市町村が制度を運営しています。
・65才以上の方は市町村が実施する要介護認定で介護が必要と認定されるとサービスが受けられる。
・40才~64才の人は、特定疾病により介護が必要とされたらサービスを受けられる。
<サービス利用までの流れ>
①市町村窓口で要介護認定の申請。
②認定調査・主治医意見書。
③審査判定。
④認定。申請から認定まで30日以内に行う。
⑤包括支援センター又はケアマネジャーが介護サービス計画書の作成
・利用者の様子で(皮膚トラブル、装具の装着方法などでお困りの方)訪問看護を検討。
・訪問看護導入に当たっては、ケアマネジャーが主治医に確認する。
⑥介護サービス利用の開始。
まずは申請をする事が必要です。解らないことがあれば市町村又は包括支援センターに相談してください。
「在宅と施設入所のストーマケアの現状」本多 美弥子 様
ケアネットOHMYとは、小田原、箱根、真鶴、湯河原の地域内に福祉貢献をめざし、自主的に設立した団体。
ケアマネージメントの質の向上に取り組んでいる。
各事業所や施設に配置。自立支援、権利擁護のもとにケアプラン、介護保険を管理しマネージメントしている。
ケアマネジャーを依頼するには、原則本人又は家族から、病院で相談も乗ってくれるが決定は本人又は家族。
介護保険を利用し自立支援と居宅重視、介護が必要になっても出来る限り居宅で能力を活かしつつ日常生活が出来る様が基本理念。
ケアマネジャーは調整役として、公正中立に本人、家族等の立場に立ち支援することとなっている。
平成28年4月に介護保険改正により、地域包括ケアシステムの構築を目指して、
・住まいが確保され、尊厳が守られる住環境。
・身の回りの変化にも安心生活が続けられるよう生活支援。
・個々の課題にあわせて「介護」「予防」「医療」を必要に応じて支援。
事例1
93才男性(長女夫婦と3人暮らし) 介護1
・大腸癌でコロストーマ。パウチの交換、自己導尿は自己管理。認知症は無い。週3回の訪問介護、入浴支援。週1回の訪問看護で入浴と健康チェック、皮膚の管理。家族からはパウチ交換、自己導入に関して支援なし。
事例2
79才女性(独居) 生活保護受給中 介護1
・膀胱癌でウロストーマ。退院時パウチ交換が出来なかった。後に骨折で独居生活が大変と生活保護ワーカーが介護保険を申請。認知症状あり。
・介護サービスで看護職員配置のあるデイサービスに。週3回で入浴、食事、パウチ交換、皮膚観察をしている。週1回訪問看護で薬と健康チェック、週1回訪問介護で居室清掃、夜間尿漏れで訪問看護師が緊急ケア。
事例3
80才女性(独居) 認知症 介護1
・部分入歯を飲み、手術。腸の癒着でストーマになる。週2回訪問看護、週1回の通所介護。週2回の訪問介護。認知症のため指示が入らず、夜間など訪問看護対応。保険の限度額の調整も必要。特養などの短期入所も使う。現在はストーマを閉じ、グループホーム入居。
〈事例を見て考える事〉
・ストーマ造設時点で自己管理が可能かどうか、認知症などのチェック。
・家族、親族が無いが、サービスで補えている。
・ストーマになったからの介護保険申請でなく普段の生活の中で、障害になるものがあるかどうかの見極め。
〈介護保険〉
・保険の利用は申請した日から、さかのぼり利用できるが、介護度により支援限度額をこえると実費負担になる。
・事業所がすぐに受け入れてくれるとは限らない。手続きに日数がかかる。
・施設入所の受け入れも、パウチ交換等が管理できるか否かで入所判定が左右する。
・比較的容易にしてくれる所は、有料老人ホームだが高額。
・特別養護老人ホームは介護度3以上、介護老人保健施設は空が少ない。
〈施設入所の実際〉
・ストーマであるからと入所出来ない訳ではないが、申し込み時に施設側の手不足やほかに緊急を要する人が優先になることもある。施設側の判断による。
・なぜ受け入れが困難なのかを施設側が考えていくことや、人員不足、報酬の仕組みはどうかを考える場を地域で作るまたは発信していく必要性がある。
・小田原地域では医療処理の多い人は受け入れが難しい所もある。入所していた人がストーマになり入院を経て戻れるケースもある。受け入れは他市にもあるので捜してみる。
【まとめ】
・現行制度では生活に困ったらすぐサービス利用とはいかないので、相談できる所、人、適切な助言、情報を得て置く。
・オストメイトがこれからの生活への不安などを沢山のケアマネに知ってもらうことの必要性。
・これからの生活を「どう老いたいか」、「どう過ごしたいか」、「どんな最期を迎えたいか」考えてみましょう。 |