相模原相談会(相模原市)
主  催 (公社)日本オストミー協会神奈川支部
日  時 平成25年11月17日(日)13時30分~16時30分
場  所 相模原市大野公民館
交  通 小田急線相模大野駅(北口)から徒歩7分
小田急線相模大野駅からバス、「合同庁舎前」下車徒歩1分
講演・相談員 「ストーマケアと食事療法」
東芝林間病院
皮膚・排泄ケア認定看護師 三本木 美幸 様
 
展示会 無し
参加費 無し
交流会報告

1.食事について
<消化のしくみ>

食物には、消化し易いものとし難いものがあり、消化し難いものは細かく刻んで調理し ましょう。
水を飲むことは、体調を整え、便通を安定化するために重要です。
<食事と便の性状の関係>
食事は、主食(米、パンなどエネルギー源)、主菜(魚、肉、卵などタンパク源)、副菜(ビタミン、ミネラルなど身体を維持・調整)で構成されます。
糖尿病や腎疾患など患っていないならば、主食・主菜・副菜を摂ることに制限はなく、バランスよく、よく噛んでゆっくり楽しく食べることが便の性状を整えることに役立ちます。
<排ガス>
食事をする際に食べ物や唾液と一緒に空気を飲み込み、更に腸内でガス成分が発生しますので、食後はすぐに寝ないようにして、ガスを口からも出すようにして、ストーマからの排出をできるだけ少なくしましょう。
<におい>
排泄物のにおいの主成分は「硫化水素」です。においを強める食べ物は、植物では、にんにく、ねぎ、にら、アスパラガスなどです。動物性タンパク質は、卵、魚、肉などです。
便秘は、排泄物が腸内に長く留まるため、消化・発酵が進んで、におい成分が多くなり、においが強くなります。
<下痢>
必ずしも食材だけが原因と言えず、体調や運動不足など多方面にわたることが多いのです。食事手帳を作って、食事と排便・体調の関係を調べ、自分の体に会わない食材は何かを探すことが大切です。
下痢の時には、脱水症状には特に気を付けましょう。
<便秘>
食事以外に水を1日に1~1.5リットル摂ることが便通維持だけでなく、体調維持のためにも大切です。
<自分自身の特徴を知りましょう>
何を食べたら、体調や便性がどのようになるのか、自分の食事手帳に記入することを習慣にすれば、自分を自分で観察することができ、気持ちの安定を図ることにも役立ちます。
2.ストーマへの影響について
<回腸ストーマ(小腸ストーマ=イレオストメイト)>
回腸ストーマの人は、1日に800ccの電解質を含む水分が排出されるので、脱水症にならないように水を十分摂ることです。
水を摂ることや食物繊維を大量に摂ることは、フードブロッケージ(食物による腸の詰まり=腸閉そく)を予防することに役立ちます。
<尿路ストーマ>
尿量の低下は、腎機能の低下や尿路の細菌数を増やして感染症を招いたり、尿臭の悪化を招きます。この点からも水分の補給は非常に大切です。
尿がアルカリ性に傾いても感染症や尿臭の悪化を引き起こしたり、皮膚荒れを起こしたりします。注意しましょう。
クランベリージュースはアルカリ性の尿を酸性化する効果があります。
以上のように食事と排泄物の性状の関係は深いものがあります。自分の体には、どんな食べ物と相性が良いか、良くないかを食事手帳を作って、自分で小まめに傾向を調べることです。
 自分の食事手帳に基づいて、食生活をより良くすることを心掛ければ、安定した体調と楽しい食事を手に入れることができるのですというテーマの講演でした。
2.相談会
①コログループ

今回、懇談会は町田市在住の人が腸閉塞で人工肛門となって市立病院で手術したがスキンケアーがなく困っていますとの話があり、スキンケアーのある病院に変えた方が良いのではないかと勧めました。
 今年の夏は異常に暑く痒みがひどく、あざが出来てしまったとの話があり皆さん病院に行かれ相談されたとの事でした。
痒みについて何か良い対策があれば会員の皆さんのノウハウを伺いたいとの話がありました。
②ウログループ
 〇風呂が苦手のYさんに対して→普通、装具が入浴中に外れることは、まずありません。自宅の風呂で堂々と入る練習をして下さい。温泉は、それからですね。とにかく装具外れは心配ないですから。
 〇蓄尿袋のホースの這わせ方について→パウチから蓄尿袋までのホースは両脚の間(内側)に這わすことです。外側に這わすと寝返りの際にホースが引っ張られ、意外に簡単に外れます。ご注意を!
③イレオストミーグループ
 ○排便時の臭いが気になる。外でトイレを使う時には特に。対処方法を色々探した。
臭いへの対策は経口剤(ノン臭)が手に入るようになって重宝している。会場に、販売店さんが、ノン臭の試供品と特典のついたパンフレットを用意して下さっていてタイムリーでした。漢方薬が良いという話も。
 ○外出用に補装具を身軽に持ちたいと思うが。
外出時の補装具の持ち方、日常の課題の一つです。2~3日分は頭に入れて、パウチ、ビニール袋、ペーパー、汚れ落とし剤、タオル…など。懐中電灯を加えて…。と参考になる話を聞くたび、グッズが増えて、バッグが膨らみ続けています。それぞれ良い方法を考えましょう。


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更新日:2014年 6月30日