湘南地区で始めて茅ヶ崎市で、オストメイト相談会を開催しました。
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主 催 |
(社)日本オストミー協会神奈川支部 |
日 時 |
平成21年9月13日(日)13時30分〜16時00分 |
場 所 |
茅ヶ崎市コミュニティホール |
交 通 |
JR茅ヶ崎駅下車 徒歩7分 |
講演会 |
最近のがん検診PETのお話 |
講 師 |
湘南厚木病院 院長 篠崎伸明先生 |
相談員 |
皮膚・排泄ケア認定看護師 を予定 |
展示会 |
補装具メーカー・販売店の補装具等の展示あり |
参加費 |
無料 |
ポスター |
相談会(茅ヶ崎市)のアルバム |
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湘南厚木病院 院長 篠崎伸明先生 最近のがん検診PETのお話 |
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湘南厚木病院 院長 篠崎伸明先生
講演風景 |
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報告 |
湘南厚木病院院長 篠崎伸明先生にご講演と、茅ヶ崎市立病院 外来師長 皮膚排泄ケア認定看護師 山岡 澄代様に相談員をお願いして茅ヶ崎市コミュニティーホールにて開催されました。
大学を出てすぐに茅ヶ崎徳洲会病院にて8年間診療に携わっていらっしゃいました篠崎伸明先生には
「最先端のがん診療 PET検査」についてご講演をいただきました。出席は、会員29名(内付添2名)、非会員12名(内付添2名)の41名でした。講演会の後はイレ、ウロ、コロとグループ懇談に移り、時間の過ぎるのがアットいう間の3時間でした。数名の方が、山岡 澄代 皮膚排泄ケア認定看護師に、個別相談を受けていらっしゃいました。ご講演内容は以下のとおりです。
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最先端のがん診療「PET(ペット)検査」 |
★放射線(ガンマー線)を使った検査である。
※放射線を使った検査にはX線を使った検査とγ(ガンマー)線を使った検査がある。
<X線を使用>
@X線撮影(レントゲン写真)
・乳房を挟んで行うマンモグラフィーもX線
ACT(コンピューター断層撮影)
・輪切りや縦切りの写真を撮影、最近は冠動脈撮影も可能となった。
B胃部バリュウム透視検査
Cカテーテル検査
<γ(ガンマー)線を使用>
@核医学検査・・・骨シンチグラフィー(骨の腫瘍検査)・Gaシンチグラフィー・心筋シンチグラフィー(心臓の機能の検査)等。
PETも核医学検査の仲間である。
放射性同位元素(アイソトープ)と呼ばれる放射線を出す薬を体内に注射して、一定の時間経過後体内から出てくる放射線を体の外側に置いたカメラで捕まえて画像にする検査方法。
これらの放射性同位元素の中には、悪い所に集まる薬、頭に集まる
薬(アルツハイマーの検査)、心臓に集まる薬などがある。
★日本人の3大疾病の検査が全て可能
@がん A心筋梗塞 B脳卒中(脳出血・脳梗塞・脳血栓)
※FDG(ブドウ糖)−PETでは特に「がん」が注目されている。
★がんの早期発見に有効
※ポジトロン(陽電子)を放出する薬剤を注射し、薬剤が体内を移動し心臓や脳、腫瘍などに集まる様子を、体の外側からPETカメラにて撮像する。
検査目的に合わせて薬剤を選択することで、心臓や脳、特に注目されているのが「がんの診断に利用できる」ことです。
※がんは特に手遅れになりやすく、早期発見が重要であり、PETでは比較的早い段階からがんの検出が可能である。(5mm程度のものから発見可能)
※早期がんとは、2cm以内の転移していないものと言われている。
10年から20年にかけて1cmくらいのがんに成長するが、増殖を始める前の早期発見・治療により完治が可能となる。(PETが有効)
1cmのがんが2cmに成長するに、1〜5年かかる。がんの種類により大きくなるスピードが違う。(例:肺がんは1年くらい。乳がんはスピードが遅いため5年くらい。)
★検査方法
※PET検査とは、「ポジトロンエミッショントモグラフィー」「陽電子放射断層撮像法」と呼ばれ、X線CTの様な装置で、心臓や脳、腫瘍などの働きを断層画像(輪切り・縦切りの画像)としてとらえる。
※「ポジトロン(陽電子)」を放出する薬剤を注射し、薬剤が体内を移動し心臓や脳、腫瘍などに集まる様子を体の外側からPETカメラにて撮像する。
※検査目的に合わせて薬剤を選択することで、心臓や脳、特に注目されているがんの診断に利用できる。
※人間ドックなどでのがん検診のPET検査では、がん細胞が正常な体の細胞より分裂が盛んなためたくさんのブドウ糖を必要とする性質を利用して、放射線を出すブドウ糖(グルコース)(FDG)を注射することにより、目印をつけたブドウ糖(FDG)がより多く集まっていく様子をPETカメラで撮像する。(FDG−PET検査)
★CT検査やMRI検査との違い
※X線撮影(レントゲン写真)やCT検査は、体の外側からX線を照射し、反対側に配置した検出器でX線の透過量を調べ画像にする。
※MRI検査は、強い磁石の中に入って体に電波を当てて、体内の水分子を画像化する。
※PETなどの核医学検査は、体内に注射した薬剤から出てくる放射線を、外側に配置した検出器で捕らえて画像にする。
★PETで分かりやすいがん・分かりにくいがん
※分かりやすいがん
肺がん・大腸がん・食道がん・すい臓がん・子宮がん・卵巣がん・甲状腺がん・乳がん・悪性リンパ腫・骨腫瘍・悪性黒色腫・脳腫瘍・
がんの転移巣
※分かりにくいがん
・腎がん・膀胱がん(薬が尿から排泄されるため見にくい)
・胃がん(内視鏡やバリュウム検査での発見率が高い)
・肝臓がん(超音波での発見率が高い)・・転移性のものは分かる
★放射線による被爆について
※放射線を使用した検査なのでわずかの放射線による被曝はあるが、バリュウム検査1回分と同じかそれよりも少ないくらいである。
※PET−CT検査では、CT分が加算されますが、影響はほとんど無視できるレベルである。
★がんのPET検査を受けるにあたっての流れと注意事項
@がんのPET検査では、ブドウ糖の代謝を正しく診断するため、検査当日は、朝食から絶食をする。甘くない(糖分の入っていない)お茶、水は飲んでも良い。
A注射前に血糖値を測定し、ブドウ糖(FDG)を注射する。
糖尿病の人は、空腹時150〜200まで下げて検査に臨む。
B体中に薬が回るのを待つため、約60分間安静にする。お水は飲んでも良い。
CPETカメラにて写真を撮像する。同時にCTを行うこともある。
D撮像終了後しばらく待って終了。
★保険を使って出来るPET検査
※脳腫瘍・頭頚部癌・肺癌・乳癌・大腸癌・膵癌・転移性肝癌・悪性リンパ腫・悪性黒色腫・原発不明癌・食道癌・子宮癌・卵巣癌・てんかん(難治性部分てんかん[焦点検索])・虚血性心疾患(心筋viability診断)
上記15項目のうち良悪性診断、病気診断、転移、再発診断のいづれかまたはそれぞれを組み合わせた規定がある。
★誇大広告には騙されないこと
※PETは万能な検査ではなく、何でも分かる検査ではない。エコー検査やMRI検査の方が良く見える場合もある。1mmのがんは見えません。
★湘南厚木病院では、放射性同位元素を使った薬剤を院内で製造している。
※放射性同位元素を使った薬剤は、放射線を出しながら量が減少していく。この量が半分になる時間を半減期と呼ぶ。
PETで使用する薬剤は半減期が短く、FDGに使用する「フッ素F−18」では、110分で量が半分になってしまうため、院内に設置したサイクロトロンにて製造し検査に使用している。
★がん以外のPET検査
@頭部・・てんかんの診断・アルツハイマー病(保険適応外)
A頭部・・酸素ガスを使用した脳血流PET検査(保険適応)
B心臓・・心筋梗塞(心筋Viability診断)(保険適応) |
【質疑応答】
(質 問)
・大腸にバリュウムが詰まってストーマになりました。がんの症状はどんなのですか
★バリュウムが原因で大腸の手術をする方はまれに居ます。
がんの症状は、痛くも無く特別にはありません。
血便が出て痔と思っていたら大腸がんであったとか、検診で潜血反応が出て検査したらがんであったということが多い。
(質 問)
・胃カメラ等健康診断を受けているが、PET検診を受けるタイミングはありますか。
★人間ドックなどの検診メニューにもよりますので、総合的な検診内容で無い場合は、受けていない部位のPETを考えてみる。例えば、消化器系を重点的に健康診断のメニューの場合は、消化器系以外をPET検査にする。
(質 問)
・藤沢近辺でPET検査が受けられるところは有りますか。
★藤沢には有りません。茅ヶ崎中央病院に有ります。新横浜にもあります。
(質 問)
・2年前に大腸がんで手術後、3〜6ヶ月毎にCTの検査をして、肺に影があり春手術をした。原因が分らないが、その後も腫瘍マーカーが上がっているので、抗がん剤治療をしている。
★1cmぐらいのがんはCTでは写らないので、こういう場合こそ、PET検査で見つけて集中治療ができる。現在治療中ということなので、急がなくても良いと思いますが、受診を勧めます。
(質 問)ウロストミーの場合、腎臓、膀胱の場合はPET検査は向かないとのことですが、対応はどのようにすればよいのでしょう。
★CTでは、リンパに移っていないかの検査をしていると思いますので、1年に1回くらいはPET検査をしても良いと思います。 |