オストメイト健康相談会(相模原市)

主 催  (社)日本オストミー協会神奈川支部
協 賛  三喜医科器械株式会社
後 援  相模原市
日 時  平成20年9月14日(日)13時30分〜16時30分
場 所  相模原市南合同庁舎 3階講堂
 相模原市相模大野5−31−1TEL:042−749−2111
交 通  小田急線相模大野駅から徒歩10分
講演・講師   「相模原市の福祉の現状・その他」
 相模原市障害福祉課主幹 山崎 茂 様
 「社会保障制度に強くなろう!」
 NPO法人成年後見相談センター・ラパス 理事長 井上 康子 様
相談員  国立病院機構 相模原病院 外来副看護師長
山坂友美皮膚・排泄ケア認定看護師
展示会  補装具メーカー・販売店の補装具等の展示あり
ポスター 
所感  
9月14日(日)13時00分より17時00まで相模原市南合同庁舎において開催致しました。62名の方が参加されました。
神奈川支部は、横浜市、川崎市を除く31市町村をまたいての活動をしております。今までは、特定の市町村に講演のお願いをした事がありませんでした。オストメイト・行政・オストミー協会の三位一体を念頭におき、このたびはじめて、相模原市にも講演をお願いし、相模原市の福祉の現状についておはなししていただきました。

講師、相談員は次の3名の方にお願いしました。
1. 講演:相模原市障害福祉課・山崎茂主幹 
2. 講演:NPO法成年後見相談センターラパス・井上康子理事長 
3. グループ相談時と個人のアドバイスに対応:相談員・国立相模原病院 山崎友美皮膚排泄ケア認定看護師
第一部講演
「相模原市の福祉の現状・その他」
講演:相模原市 障害福祉課主幹 山崎茂様
相模原市の身体障害者手帳交付者数は、4月1日現在、16,357名で、そのうち、内部障害者4,614名中、ストーマ該当者は717名となっています。
障害者手帳をもっていて介護保険の認定を受けている方のサービスは、介護保険のサービスが優先されます。
平成18年10月から、自立支援法によりストーマ用品は、日常生活用具に移行されました。相模原市は、平成19年10月からストーマ装具の基準額を消化管は、月額12,000円、尿路系は、月額15,000円に引き上げました。
「オストミー協会との折衝事項について」
1.災害時のストーマ装具の備蓄についての対応 
オストメイトにとつて補装具は、1日も欠かせないものであり、災害時にどのような方法で迅速に供給するかの体制確立の検討を行っています。
温度管理等問題点の検討も進めています。
2.障害者専用災害時の仮設トイレの設置(オストミー協会からの要望)
担当部署から、買い替え時又は、更新時に検討すると回答を得ている。
3.ストマー用装具の対象品目の拡大(8月より拡大済み)
面板・パウチ・皮膚保護ペースト&パテ・皮膚保護パウダー・皮膚保護ウエハーの5品目が助成の対象でしたが、オストミー協会からの要望もあり、平成20年8月から、基準額内であれば13品目(夜間蓄尿袋や装具交換の時の剥離剤、かぶれ対策&予防の皮膚被膜剤など)全てを、対象としました。

※NHK受信料免除基準が10月1日より変更となりました。
※ストーマ装具の処分方法は、袋の中身は捨てて普通ゴミに出してください。

【★質疑・☆応答】
★相模原市は、助成金に制約があると聞きましたが、どのような制約ですか。合併後ストーマ用品の助成基準額が変更になったのでしょうか
☆所得制限の基準額が下がりました。市民税の所得割額が46万円以上の方が同一世帯にいる場合は対象外(全額自己負担)です。
市民税の所得割が非課税の人は、基準額の自己負担無し、課税の人は、基準額の1割自己負担です。
★例えば、消化管 月額12,000円の助成金については、年間を通して考えても良いのでしょうか?
☆4月〜7月、8月〜11月、12月〜3月分の、4ヶ月ごとの支給決定になりますので、その期間内で考えてください。4ヶ月分48,000円を超えた場合は、超えた部分は全額自己負担です。
★相模原市は、今年度から助成対象品目が、関連13品目全て対象となったとのことですが、明細がわかりません。
☆13品目は@皮膚保護ペースト、A皮膚保護パウダー、B皮膚保護ウエハー、C固定用ベルト、Dサージカルテープ、Eコンベックスインサート、F剥離剤(リムーバー)、G皮膚被膜剤(スキンバリア)、Hレッグバッグ(下肢装着用蓄尿袋)、Iナイトドレーナー
ジバッグ(夜間用蓄尿袋)、Jパ
ウチカバー、K皮膚保護剤穴あけ専用はさみ、L消臭剤です。

☆神奈川県下の市町村の中で、まだ“13品目全て対象”とはなっていないところもあります。 
第二部講演
ラパスとは、スペイン語で安心を意味するそうです。
成年後見制度は、判断能力が不十分な方がたを保護する為の制度です。
井上康子様は、お金のホームドクターとして、横浜駅前でファイナンシャルプランナーの事務所を開設している方で、相続問題の発生した時、退職後の先にあるラストプランニングの時、判断能力が不十分になった時など、多々相談を受けるようになり、そのような問題を解決する為に、平成16年にNPOを設立。その後、横浜市より補助金を受けながら活動をしていらっしゃいます。自分の身の回りの資産等を含め無関心の人が多い。それらを法的な事を含め整理しておくことの必要性について、金融資産等の有利な運用方法等のお話もありました。

「社会保障制度に強くなろう!」
NPO法人成年後見相談センター・ラパス
理事長 ファイナンシャルプランナー 井上康子様

多様化する社会において、人生設計の重要な要素である、健康・生きがい(夢・希望)・経済の安定に加えて、環境(暮らす場所など)を整備することが重要視され、この四つをバランスよく考えられることで、いい人生設計が出来ると考えます。我国の社会保障制度(社会保険)は、医療保険・労災保険・雇用保険・介護保険・年金保険の5つです。公的年金は、遺族年金・老齢年金・障害年金がありますが、この先の社会生活は、公的年金だけで暮らすことは出来ない。
公的介護保険は、65歳未満の人でも特定疾病
@早老症 
A脳血管疾患 
B初老期認知症 
Cパーキンソン関連疾患 
D脊髄小脳変性症 
E後縦靭帯骨化症 
F多系統萎縮症 
G筋萎縮性側索硬化症 
H脊柱管狭窄症 
I閉動脈硬化症 
J慢性閉塞型肺疾患 
K糖尿病性網膜症 
L関節リュウマチ 
M骨折を伴う骨粗鬆症 
N変形性関節症 
Oガン末期
の人は、サービスを受けることが出来ます。
公的介護保険も、足りない部分は自分で準備が必要です。
そこで、不足分を補うためには、医療・介護・年金などの社会保障制度に強くなり、必要なサービスの提供を受ける必要性が生じてきます。
精神的、経済的にも豊かな老後を送る為に自分で出来ることとは?
日本人特有の、“お金の相談は、恥”と言う概念や、“役所のお世話になる事は恥”と言う考え方も捨て、社会保険と税金のしっかりとした知識をもち、ライフステージごとのライフプランをたて、上手に活用することが重要です。
「社会保険制度に強くならなければいけない。」と考える前提には、ライフプランニングが必要です。
@家計簿をつける。(けじめのある生活をする)・・収支の記録
A遺言書を作る。(財産、想いも含めて書いておく。)・・・・財産目録
※@Aをする事により、経済的にどこが不安か、どこに余裕があるかを明確にして、ライフプランをたてる。
Bお金の話は、信頼している人に話しておく。(いつ何が起こるかわからない。)
C常に情報収集するアンテナを張り、国の制度(医療・介護・年金など)を知り、住んでいるところの公的サービスの情報を知ること。
D手続きを面倒くさがらずにすること。(自分が出来ない方は、手続きしてくれる人を探す。)
E常に、人とのかかわりをもつこと。
Fライフプランを立てること。

人生は簡単には終わらない。だからライフプランニングは必要。
・人間なら誰でも「死」を迎えるが・・・
 不幸にして早めにラストが来ることもあるし、予定より遅い場合もある。
・個人が生きた証を誰にどう残すか。
・相続はライフプランニングからはずせない。
 争族にならないために、遺言を書くことも必要。また、成年後見制度は
 生きている方に、遺言は残された方に必要な制度。
・社会保障制度や税金の知識を知り活用すること。
・サービスや特例を受ける手続きは自分で行う。誰も教えてくれない。
【★質疑・☆応答
★公的医療保険は3割負担とありますが、民間の生命保険は必要でしょうか。
 また、障害をもった人でも新たに入れる民間の生命保険はあるのでしょうか。
一般所得者が入院した場合、およその目安で計算すると、1日6,000円弱{2,600円+780円(食事代)+500円(雑費)+1500円(差額ベッド代)}の入院費がかかる計算になるので、一日に5,000〜10,000円の入院給付金の出る生命保険に加入している人が多い。現金、預金で支払うことが出来る人で、年齢が高い人、条件が悪い人は、敢えて入る必要は無い。
お金が無い人ほど、民間の生命保険に加入する必要がある。
割り増しになりますが、既往症がある人でも入れる保険はあります。既往症外ならば給付される保険はあります。サービス、掛け金など、数社を比較したほうが良い。
傷害保険は、掛け金は安く病気でも加入できる。
骨粗鬆症などで怪我をする事もあるので、病気では給付金は出ないが、ひとつは入っていたほうが良い。
★厚生年金で、40年前の報酬月額は、どのようにして算定するのでしょうか。
読み替え率を使って計算します。

講演の後は、グループ懇談・個人相談といつもどおり、活発な相談会で終わりました。 

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更新日:2009年5月10日