日本オストミー協会神奈川支部　お知らせ

オストミービジター・サポーター講習会（藤沢市）

主　催	（公社）日本オストミー協会神奈川支部
日　時	平成２７年１２月２０日（日）９時３０分～１７時００分
場　所	藤沢市市民会館　教養室　藤沢市鵠沼東8-1
交　通	ＪＲ東海道本線藤沢駅南口、小田急線藤沢駅、江ノ島電鉄藤沢駅　下車徒歩約１０分
講　演	下記報告のとおり。
参加費	１，０００円（昼食・資料代）
写　真	受講者の方は資格証を作成のため胸から上の顔写真１枚（横3cm×縦3.5cm）
講習会報告
オストミービジター養成講座日程

時　　　　間	科　　　　目	講　　　　師
９：００～　９：２０　２０分	受付　（講習会参加者：１７名）
９：２５～　９：３５　１０分	開会挨拶、講師紹介、日程説明	支部長
９：３５～１０：１５　１０分	［第１部］Ｏ・Ｖの目的と役割＆訪問の技法	湘南藤沢徳洲会病院病院長篠崎　伸明　様
１０：１５～１０：３０　１５分	＜休憩＞
１０：３０～１０：５０　２０分	［第１部］病院内のエチケットと相互協力	湘南藤沢徳洲会病院病院長篠崎　伸明　様
１０：５０～１１：２５　３５分	［第２部］医療サイドから見た術前・術後のオストミー患者の状態	東海大医学部付属大磯病院皮膚･排泄ケア認定看護師　　後藤　菜穂子　様
１１：２５～１１：５５　３０分	オストミーに関する最新の情報	湘南藤沢徳洲会病院病院長　篠崎　伸明　様
１１：５５～１２：４０　４５分	＜昼食・休憩＞
１２：４０～１４：１０　９０分	［第３部］傾聴講座　絵本「パパの彼女」	ＮＰＯ法人ｌａｕｌｅ’ａ理事長　横川　敬久　様
１４：１０～１４：２５　１５分	質疑応答
１４：２５～１４：４０　１５分	＜休憩＞
１４：４０～１５：４０　６０分	［第４部］ロールプレイテーマ「手術前にガンの告知」	篠崎　伸明　様後藤　菜穂子様横川　敬久　様東名厚木病院　皮膚・排泄ケア認定看護師>齋藤　祐子　様
１５：４０～１６：００　２０分	質疑応答・感想
１６：００～１６：２５　２５分	Ｏ・Ｖの心得・研修の総括・講評	篠崎　伸明　様後藤　菜穂子様横川　敬久　様齋藤　祐子　様
１６：２５～１６：３０　　５分	連絡事項並びに閉会の辞	支部長

★オストミービジター講座を受講して・・・受講者からの声・・・

1.今回の受講は３回目となりました。過去２回受講しているにもかかわらず、今回もいろいろと勉強させていただいたと思います。
　篠崎先生からの「オストミービジターの目的と役割や訪問の技法」や「病院内のエチケットと相互協力」で
は基本的な訪問の心得や手続きなどをお話しいただきました。そして医療関係者との連携が大切なことを改めて学びました。それぞれの立場で出来ることできないことなどあり、医療関係者と情報交換することで、オストミービジターとしていい形で接し、患者さんの不安を取り除いたり、今後の生活に対して前向きな姿勢を取り戻したりするお手伝いができるのだと思いました。
　また「オストミーに関する最新の情報」ではストーマの種類が複数あることや技術が向上していくことで患者さんの負担が少なくより安全な治療方法が確立されてきていることを知りました。
　傾聴講座では「聴く」ことの大切さ、難しさを感じましたが、同時に面白さもあると思いました。初めて会
う方と話をして、その方が今までや今に至った経緯、そして今後の不安や希望など伺い、少しでもその方の不安を和らげ今後の生活に希望を持てるよう考えることはやりがいのあることだと思います。想像ですが、そのことはその方の立場、環境、体調などに気を配り、想像力を働かせ、本気で親身になっていかないと難しいことなのかな、と思いました。
　また、「パパの彼女」では相手のことを大切にするということが、どういうことなのかを考えさせてくれま
した。
　最後に３、４人のグループに分かれ、ロールプレイを行いました。ロールプレイでは患者役、ビジター役、
傍聴役になり、模擬実践をしていきました。役になりきることも大変でしたが、相手の話を相手の気持ちに立って受け止めることもとても難しかったです。みなさん、色々なことを経験してきて、今はうまくオストメイトとして生活していらっしゃる方たちなので、練習にはとてもよかったと思います。
　実際に訪問した時には、何が相手の気持ちを落ち着かせることができるのか、または不安を募らせてしまう
かわからず、もっと緊張すると思います。
　今回の受講で改めて人の話を聴くこと、相手の立場に立つこと、自分の気持ちを相手に伝えることの難しさ
を感じました。人それぞれ違い、病気になった経緯も生活のリズムや価値観や立場も違う人達とどう接し、その人たちが自分の中でオストメイトになることまたはなったことをどのように受け止め、どのように消化し、今後の生活をしていくかに関わらせてもらうということを考えると、簡単ではないと感じましたが、同時に意味のあることだと思いました。

2.昨年１２月に初めてオストミービジター講座に参加させていただきました。１日の講座でしたが、講師の方々、参加者の皆さんの真剣さと温もりを感じました。
　私がこの講座に参加するきっかけを少し述べさせていただきます。
　私の場合、オストメイトになる前に心臓の難病が見つかり、肺に水がたまる寸前でした。そんな中でオストメイトになったため退職を決意しましたが定年まで数年あって勤めきれなかった嫌悪感と将来への不安感とパウチからの漏れにさいなまされていました。そんな中でオストミー協会の事を知り、協会の方に電話をしました。恥ずかしい話ですが、電話の内容は、「お腹の真ん中から内臓がこんなに外に飛び出し、心臓の難病もあるので、私は後何年生きられますか。」と・・・意外にもその方に笑い飛ばされてしまいました。
　ただ、電話の向こうからは明るく笑顔で微笑んでくれている姿と力強く前向きに生きている姿が私にはわかりました。
　その後の相談会や友人や地域の方の温かい声かけと見守りにより、活かさせていただいていますが、元気と
笑顔をモットーに日々の生活に励んでおります。
　オストミービジターとしてのロールプレイでは、基本的な心得のポイントであらねばならない「傾聴」が「偏聴」になってしまった私ですが、患者さんの不安解消のための大河の一滴になれればと考えております。

3.今回は２年ぶり２回目の参加になります。
　自分の体験を仲間のために役立てたい…と熱い思いで参加した一回目は、たくさんの「～してはならない」に面喰らい、がんじがらめにされて、患者さんと何をどう話したらいいのだろう？オストメイトが訪問する意味は？と疑問を感じ、すっかり自信を喪失した私でした。なにしろ、自分の経験を話してはならない、患者さんが受けた診断や治療を話題にしてはならない、医学的アドバイスをしてはならないetc.というのですから…。しかし、今回はだいぶ理解が進みました。
　病院から要請されて出向くということは、一時的に医療者サイドに立つということなのです。万一、主観や
私見で医療現場に混乱をきたすことがあっては、病院側から信用されず、門戸は広がっていかないでしょう。自分の置かれた立場を充分認識し、医療チームの方針に配慮した、常識的で思慮深い言動が求められています。非常に神経を遣い葛藤も感じますが、要請があった時に、患者さんと医療機関の双方に「ビジターに来てもらって良かった。治療を進める上で良い効果があった。」と評価してもらえる実績を一つ一つ積み上げていくしかないのだと思います。そうして初めて医療関係者の信頼を得ることが出来、手術前後の不安定な状態にある入院患者さんに、オストメイトとしての支援の手が届くようになるのです。親切心たっぷりのアドバイスは対個人の時のために取っておきましょう。
また、傾聴講座では、「主語を相手にして聴く」ということが大いに勉強になりました。
　例えば人が悩みを話してきた時に、「私もそうなのよ！私なんかね～」と続けてしまっては、主語が相手から自分にすり変わってしまい、相手の気持ちを受けとめることができません。あくまで主語を相手に置き、相手の立場に立って関心を向けて寄り添う…「そうなんだ…」とあいづちを打ちながら、「～なんだね」と相手の言ったことを繰り返して、相手の気持ちを理解し確認する。そうして初めて相手は、自分の気持ちを受けとめてもらえた、聴いてもらえて良かったと感じることができるのです。自分のこと（考え）を話すのはそれから…。普段バリバリに自分＝主語の会話をしている私は大いに反省させられました。私にとって講座の中で最大の収穫です。
　テクニックよりも、言葉の奥にある相手の気持ちを理解・共感し、相手にとって最善のことをさせて頂こうという利他の心を持って接することが一番大事だと感じました。
　その後のロールプレイでは、グループに分かれて冷や汗をかきながら患者・ビジター役をこなし、大いに盛り上がりました。実践の難しさを痛感しましたが、良い練習になりました。残念ながら現状は要請の少ないビジターですが、徐々に信頼・認知され、医療現場で貢献できるようになるといいですね。

休日返上で講義して下さいました湘南藤沢徳洲会病院の篠崎先生はじめ、NPO法人laule’aの横川様、皮膚・排泄ケア認定看護師の後藤様、斎藤様、本当にありがとうございました。

更新日：2014年 6月30日